「おならをするときに音が出るときと出ないときがあって、音の出ないおならはとっても臭いんです。なぜですか!?」
コロンハイドロセラピー(腸内洗浄)の施術を希望する方に、よくこんな質問をされます。みなさん、外出先ではおならをがまんするそうです。理由を聞くと「もし音が出たら、恥ずかしい!」「臭いで周りの人におならをしたことがバレてしまうから」という言葉が返ってきます。
おならは腸の中にたまっているガスが肛門から出ることで起こります。音の出るおならは空っぽな直腸の中をガスが抜けて、巾着のように締まっている肛門を一気に押し開く要領で出ていきます。ただ、直腸に便が残っていないので臭いはさほど強くありません。
一方、音は小さいけれど臭いおならは、直腸に詰まっている便をくぐり抜けていると考えられます。そのために強い臭いを発するのでしょう。
おならが多い方は、普段からおなかが張りやすく腸の中にガスがたまっています。そんな方には、以下の傾向がみられます。
・デスクワークなどで、一日中座りっぱなしのことが多い
・ストレスが多い
・夜遅くにたくさん食べる
・肉類や油っこいものをよく食べる
・早食い
・食物繊維や発酵食品を大量に摂っている
・体が冷えている
・排便後にスッキリ感がない
おならの原因である腸内ガスの多くは、食事のときに食べ物と一緒に飲みこんだ空気や、腸内細菌によって食べ物が分解されるときに発生します。食べたものによって、発生するガスは異なります。
たとえば、腸内細菌が穀物や食物繊維を分解する経過は「発酵」で、このとき発生するのは「水素ガス」や「メタンガス」と言われており、さほど臭くありません。
しかし、お肉やニオイ系野菜(にんにく・にら・ネギなど)を分解するときに悪玉菌が作った代謝産物はとても臭いのです。悪臭を放つ代表的な有害ガスには「インドール」や「スカトール」などがあります。
便通が滞りがちな方のおなかの中も有害ガスが充満している状態ですが、この場合はガスが臭いというより便そのものが悪臭を放っています。腸の中がキレイか汚れているかでおならの臭いは違ってくるというわけです。
鼻をつまむほどの悪臭を放つ場合は、かなり腸が汚れていると自覚した方がよいでしょう。音が出なくて悪臭があるおならは、腸からのSOSサインなのです。
おならの臭いを改善するには?
臭いおならは、腸のケアで減らすことができます。食事、運動不足、睡眠不足といった不規則な生活習慣を見直すだけでもおならの量は減っていきます。なかでも、私がおすすめしているのが、プロバイオティクスや、オリゴ糖などを摂ることです。
腸内洗浄で大腸にたまっている古い便を洗い流し、その後にプロバイオティクスを多めに摂取してもらうと、翌日からオナラの臭いも改善されます。腸内の善玉菌を増やすと、オナラが減るとともに、腸内ガスや便通の改善にもつながります。
便と同様に、おならも腸内環境を知るためのバロメーターです。回数や臭いなどをチェックして、腸内環境の改善に役立ててくださいね。