日々新しい活用法やレシピが次々と生まれている発酵食品「麹(こうじ)」。塩で作れば塩代わりの「塩麹」に、醤油で作れば醤油代わりに使える「醤油麹」となり、調味料のかわりに使用すると、腸内環境を整えたり、代謝をアップしたりといいことづくめ。そんな麹を健康・美容の味方である、トマトと組み合わせた「トマト麹」が最近注目を集めています。
トマト麹は栄養価の高い万能調味料!
数年前から塩麹ブームが続き、スーパーやレストランで見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。
塩麹は米麹と塩からできていますが、そこにトマトジュースを加えたのがトマト麹です。魅力はなんといっても手軽に作れる点と、どんな食材にも使える万能さ、そして栄養価の高さです。麹に含まれる麹菌は栄養の消化や吸収を助ける酵素を生み出す力が非常に高く、トマトも、ヨーロッパでは昔から「トマトが赤くなると医者が青くなる」ということわざがあるほどで、長く健康食品としてされてきました。
現在では、老化の原因といわれる活性酸素を除去する働きがある「リコピン」や、血管を丈夫にする効果がある「フラボノイド」、美肌に欠かせないビタミンCなどの栄養素が豊富に含まれていることが知られています。そんなトマトと麹のいいとこ取りができるのが、トマト麹なのです。
トマト麹の作り方
トマト麹を作るには、生麹を使う方法と乾燥麹を使う方法、ふたつのパターンがあります。それぞれの材料と分量を紹介しましょう。
<材料>
・生麹の場合
生麹 200g
塩 60g
食塩無添加トマトジュース 200cc
または生のトマト
・乾燥麹の場合
乾燥麹 200g
塩 68g
食塩無添加トマトジュース 260cc
または生のトマト
<作り方>
1.フタつきの清潔な保存ビンを用意し、よくほぐした麹を入れます。
2.ほぐした麹に塩を加え、全体になじませます。
3.さらに食塩無添加トマトジュース、またはミキサーにかけたトマトを注ぎいれ、よくかき混ぜます。
4.フタをして常温で安置しておきます。
5.1~2日に1回、清潔なスプーンなどでかき混ぜるようにします。
<ポイント>
仕込んで10日ほどたつ頃から使用できますが、2週間~1か月置いた方がよりおいしくなります。トマトを使う場合はミニトマトの方がフレッシュな甘味が出るという話もあるようです。
常温で保存する場合は3か月を目安に使い切るようにしましょう。冷蔵保存の場合は6か月を目安に使い切りましょう。
作る過程で頻繁に混ぜることができない場合は、熟成を遅らせることができるので、冷蔵保存をしてください。
トマト麹の活用法
活用法はさまざまです。一番簡単なのは、ドレッシングがわりにそのままトッピングして食べる方法。オリーブオイルとともにモッツァレラチーズとバジルにトマト麹をかけると、極上のカプレーゼに早変わりです。
塩麹を使ったことのある方は、塩麹がわりにあらゆるお料理に活用してみてください。肉や魚を漬け込めば、柔らかくなると同時に旨味やコクがアップします。あまった野菜を漬け置いて、トマト風味の漬け物にしてもいいでしょう。
他にも、お米を炊く際に、米3合に対し小さじ1~3程度入れて炊くことで、ちょっとお洒落なトマト風味ライスができあがります。和洋を問わず使えて、料理のバリエーションが広がるのがトマト麹のすごいところですね。
麹と塩、トマトと3つの材料を混ぜるだけで手軽さに本格的な万能能調味料になるトマト麹。夏の疲れが出やすい秋には最適です。さらに腸にもお肌にも優しいので、さまざま食材と組み合わせて活用し、食卓にいろどりを添えてみましょう。
■参考
まるごと小泉武夫食マガジン「トマト麹」の超簡単レシピ!
糀部 トマト塩糀
日経ウーマンオンライン 麹はどんなペースで摂るのが効果的?
「からだにおいしい発酵生活」(宝島社)