トイレットペーパーを三角に折るのは不衛生って本当?

最近、トイレの中で他人に対する親切心のつもりでやった“ある行為”が、実は迷惑かもしれないと、物議を醸しています。

それはもともと「清掃完了マーク」として知られる、トイレットペーパーの三角折りです。最近では親切心から、トイレの利用者が次の人のために三角折りをすることがあるそうですが、その行為について、衛生面などから賛否両論があがっています。

トイレットペーパーを三角に折るのに約半数が反対!

メディアが調査した結果、トイレットペーパーの三角折りを見たとき、好意的に受け取る人がいる一方、「他人が手を洗う前に触れたものを使いたくない」と嫌悪感を持つ人が、半数以上にものぼることがわかりました。

もちろん、清掃員の方が目印としておこなっているなら良いのですが、「利用者が不衛生な手で触った場合、感染症などは大丈夫なの?」とあらためて心配になる方が多いようです。

日本人はいつからトイレットペーパーを折るようになったのか

今では清掃完了の合図として認知されている三角折り。そのルーツはどこにあるのでしょう。

広く知られている理由の1は、「アメリカの消防士がいつどんな状況でも、出動できるよう、トイレットペーパーを簡単に手に取れる三角形に折っており、これを『ファイヤー・ホールド』と呼んでいた」という説が有力でした。

しかしあるテレビ番組で、アメリカの消防署に直接三角折りのルーツを尋ねてみると「そんな事実はない」という返事が返ってきたため、実は嘘だったことが判明しています。

諸説あるようですが、現在有力とされるのは、1966年に当時銀座のクラブを経営していたママが、趣味の折り鶴を応用して、トイレットペーパーの三角折りをおこなったのが発祥だったのではないかといわれています。その後1968年に、日本のビジネスホテルで正式な清掃完了の合図として、採用されたようです。

また、三角折りを折り紙など日本古来の「折る文化」が生んだ産物だと位置づける説もあるようです。確かにトイレットペーパーを三角形に折ることに、機能的なメリットはあまりなく、見た目を良くする以外に特に意味はないのかもしれません。

三角折りは不衛生!?

三角折りは確かに見た目として考えれば美しいですが、衛生面の問題にも目を向けると、状況はもう少し複雑です。一部の医療関係者からは、「手を洗う前の状態は衛生的に良い状態ではない」という声があがっています。

水が絶えず流れているトイレは、雑菌や細菌の温床となりやすいもの。その状況で、排せつ物を処理した手でトイレットペーパーに触れるというのは、次に使用する方に、不衛生なものを残してしまうことになりかねません。

衛生面での問題も深刻なので、清掃以外の目的で必要以上に三角折りをすることは控えた方が良いでしょう。今までマナーだと思って三角折りをしていた方にはショックかもしれませんが、衛生面を優先した方がよさそうですね。

日本人らしい不思議なお話ですが、トイレは最低限キレイに使い、皆さんが気持ち良く利用できるよう心がけましょう。

【参考】
利用者がトイレットペーパーを三角折り「印象よくない」が52%も。その理由は?
なぜトイレットペーパーの三角折りはNG?意外と知らないトイレに関する3つのマナー
トイレのペーパー「三角折」は不衛生 女子マナーがノロ感染の危険を招く
トイレの“三角折り”なぜ感染症のリスク?

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