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腸内環境を改善しておなかも心もスッキリ !? その理由は「腸脳相関」にある!

腸内には1000種類以上の細菌が棲んでおり、その数は実に100兆個ともいわれます。腸内細菌が種類ごとにまとまって腸壁についている様子は、群生する花々に似ていることから腸内の花畑(フローラ)と呼ばれます。腸内環境における腸内細菌の役割や重要性が知られ、「腸内フローラ(腸内細菌叢)」という言葉もよく知られるようになりました。

さらに、腸内フローラは便通の調子や体調ばかりか、「腸脳相関」と呼ばれるように脳にも関係があることも分かってきています。今回は、腸と脳との意外な関係を紹介していきます。

進化の過程でも人体形成過程でも、先に生まれたのは「腸」

腸内環境を改善するとメンタルに好影響が!? その理由は「腸脳相関」にある!

人間にとって腸も脳も、生命維持に欠かせない器官ですが、動物は食べ物を腸で消化してエネルギーを得て、他の器官は腸から得られたエネルギーで働きます。最も単純な形の多細胞動物の一つ「ヒドラ」には腸と口しかなく、脳がなくても機能することができます。この機構は人間の腸(小腸)にも受け継がれていて、脳の指令を受けずに食べ物を適切に消化、吸収して排泄する一連の働きを行えるのです。

また受精卵が細胞分裂して、人体ができるときもまず腸が形成され、その後に脳が形成されます。つまり、生物の進化の過程においても、1人の人間が誕生する際にも、腸が先にあり、脳より腸のほうが長い歴史を持っているのです。

腸と脳との密接な関係「腸脳相関」とは何か

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人の体を動かす末梢神経系には大きく分けて2系統があります。自分の意思でコントロールできる「体性神経系」と、自分の意思でコントロールできない「自律神経系」です。自律神経系は交感神経と副交感神経からなり、内臓や血管などの働きなど、体の環境を整える神経系で、独立したネットワークを持っています。腸はこの自律神経系によって制御され、自分の意志で動かすことができません。

しかし、腸は脳から独立して機能している一方で、脳と腸は自律神経系やホルモン、インターフェロンなどを介して密にかつ双方向に関連していることが知られています。この関係を「脳腸相関」といいます。

最近では、腸内細菌と中枢神経機能との関連にも研究者の視線が注がれ、腸内細菌と脳、そして腸との相互作用に着目した“脳-腸-腸内細菌軸”という概念も提唱されています。

脳腸相関で腹痛が起こることも

脳腸相関の事例として大腸に腫瘍や炎症などがないにも関わらず、おなかの痛みや不快感が続き、便通異常が続く場合があります。

この原因はまだハッキリと特定されていませんが、体質的に脳から腸に向かう信号と、腸から脳に向かう信号の双方が過敏になっている人に起こるようです。そのため、腸の収縮活動が活発になるほか、痛みを感じやすい知覚過敏の状態になります。大腸に風船を入れて刺激するテストを行うと、一般的には腹痛を感じない程度の刺激で、この体質の人は腹痛を感じてしまうほどなのです。

腸内環境を改善して心もスッキリ!?

腸内環境を改善するとメンタルに好影響が!? その理由は「腸脳相関」にある!

不安や緊張が腸内細菌のバランスを崩し、その結果、有害菌(悪玉菌)とされるバクテロイデス菌が増加する例がある一方、腸内細菌が神経伝達物質の分泌量に影響を与え、精神活動にも影響し、ストレス反応を抑えているという研究結果も報告されています。

まだまだ研究の途上ではあるものの、腸と脳には密接なつながりがあり、お互いの状態がお互いのコンディションに大きく関わっていることは確かなようです。腸内環境の改善に取り組むことで、便通異常のほか、気分の落ち込みや不調の改善にも役立つのではないかと研究が進められています。

腸活で副交感神経を優位にさせて、リラックス時間を増やそう!

腸内環境を改善するとメンタルに好影響が!? その理由は「腸脳相関」にある!

ぜん動活動や便の排出といった、便通異常の解消に大切な腸の働きを促すのは自律神経系のうち、心身をリラックスさせる役割を担う「副交感神経」。そして副交感神経が優位になるのは、睡眠時間中です。

ぬるま湯に長めにつかり、じっくりと体を芯から温めたり、睡眠前にヨガやストレッチなどの軽い運動で体の緊張をほぐしたり、夏場は寝室の湿度を下げたりリラックスできる香りを漂わせるなどして、深い睡眠がとれるように工夫するといいでしょう。

食生活の腸活も、腸内環境にいい影響を

腸内環境を改善するとメンタルに好影響が!? その理由は「腸脳相関」にある!

腸内の有用菌を増やすのも、腸内環境の改善に役立ちます。腸内で乳酸や酢酸を作り出す菌が豊富に含まれた食品を積極的に取り入れ、糖分を摂るときには有用菌のエサとなるオリゴ糖を選ぶようにしましょう。有用菌が増えて酸が生成されることで、腸内が弱酸性へと傾き、有害菌の繁殖が抑えられるためです。

有用菌を含む食品はヨーグルト、ぬか漬けなどがあります。どちらも日本人には身近な食品ですので、毎日の食事にプラスしてみるのはいかがでしょうか?

腸とは無関係のようなブルーな気分も実は腸内環境の変化に関係あるかもしれません。腸内環境を改善し、腸内フローラを正常なバランスに保つことは、おなかにも心にも大切なのです。

【参考文献】
「脳腸相関(brain-gut interaction)」(腸内細菌学会 公式サイト「用語集」)
「過敏性腸症候群(IBS)ガイドQ&A」(日本消化器病学会ガイドライン「過敏性腸症候群(IBS)」)
藤田紘一郎(特別講演)「こころとからだの免疫学 ─腸内細菌の働きを中心に─」(『心身健康科学』8巻2号 2012年 日本心身健康科学会)

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