腸内環境を整える「3種類の味噌」って何が違うの?

2017.06.20

古くから人々に親しまれ、乳酸菌を多く含む「味噌」は、腸内環境の改善も期待できる発酵食品のひとつです。
日本人の食生活に馴染みが深い調味料として、味噌汁をはじめ鍋や煮物、野菜の和え物など主菜・副菜問わず幅広い料理でも活躍してくれます。

実は味噌には赤味噌や白味噌といった色の違いだけではなく、材料の違いからも、「米味噌」「麦味噌」「豆味噌」など、複数の種類に分けられています。

味噌は1300年以上も前の飛鳥時代には、すでに中国大陸から日本列島に伝えられたとされ、それ以来、全国各地に伝わって醸造されてきたことから、産地によって味や風味が様々です。

今回はそれぞれの種類の味噌の特徴と、それに合わせた活用法を紹介します。

米味噌・麦味噌・豆味噌の違いとは

まずは、味噌に使われている麹の違いから見てみましょう。
どの種類の味噌も、大豆と麹と塩、そして発酵菌の4つを混ぜて熟成することで作られています。

そのうちの1つである麹とは、米や麦などの穀物や大豆そのものに麹菌を接種して培養させたもの。この麹が塩や発酵菌の力を借りて大豆を発酵させますが、麹の種類によって「米味噌」「麦味噌」「豆味噌」とそれぞれ呼びます。

いずれの種類の味噌も主に、水分、炭水化物、たんぱく質、脂質、灰分、そしてビタミンやミネラルなどの成分が含まれます。
しかし、醸造の過程で配合する原料の違いによってその割合は異なります。

米味噌

日本で最もよく食べられている味噌は、米味噌です。
国内の北から南までの幅広い地域で親しまれ、国内で製造される味噌の約8割を占めているといわれています。

米味噌と一言でいっても、地域によって様々な種類があり、それぞれ色や味が異なります。
たとえば津軽味噌や仙台味噌、そして江戸甘味噌や信州味噌、関西白味噌などが挙げられます。

代表的な郷土料理として有名なものには、全国生産量の40%を占める信州味噌を用いた山梨県の「ほうとう」を挙げることができます。
甘味噌など糖度が高めのものは炭水化物が多めで、たんぱく質や脂質が少なめなど、栄養素にも特徴があります。

麦味噌

麦味噌は主に九州地方で作られ消費される傾向があるようです。
米味噌と同じく、麦味噌にも様々な種類のものがあります。麦の香りの際立つ、瀬戸内麦味噌に、甘口から辛口まで多くの種類がそろう九州麦味噌。そして鹿児島県の農家の家庭料理である「薩摩汁」を作るための、薩摩味噌などがあげられます。

栄養価は米味噌と同程度の炭水化物を含みますが、独特の風味と甘さが特徴です。

豆味噌

豆味噌の醸造は、愛知、三重、岐阜などの中京地方に集中し、主にその土地で消費されています。

豆味噌を用いた郷土料理には「豆腐田楽」があります。特に、豆味噌は米や麦を用いた麹などを媒介としないため、他の2つとは違った面が多く、濃厚なうま味や渋みにくわえて、苦みを強く感じられます。

大豆を多く用いるめに、炭水化物は少なめで、たんぱく質や脂質を多く含むことも特徴です。

味噌の色が違う理由

味噌の違いで思い浮かぶのは、色による分類の方が、馴染みが深いかもしれません。

色による味噌の分類は、「赤」「白」「淡色」の3種類に分けられます。

こうした色の違いや濃淡の差が出る理由は、醸造の過程で原料の大豆に含まれるアミノ酸が、糖と反応して褐色に変化する「メイラード反応」によるものです。

その熟成中の温度が高いか、あるいはその期間が長ければ長い程色は濃くなる傾向があり、作り方の微妙な違いによって豊富な種類の味噌ができます。

赤味噌

東北~関東地方で主流の赤味噌には、会津味噌や江戸甘味噌があります。
熟成期間が長いことから色が濃くなり、塩分濃度も高めです。

中でも仙台味噌など特に長く熟成させるものは、たんぱく質が十分に分解されてうま味の元である酵母や乳酸菌も十分に発酵します。

味は辛口でコクがあり、ほのかな渋みがあることが特徴。味噌汁や味噌煮込みうどん、懐石料理に用いられます。

白味噌

逆に、関西地方や近畿地方で多く使われる白味噌には、古くから知られている関西白味噌や讃岐味噌、府中味噌などがあります。

赤味噌とは反対に熟成期間が短いため、色が薄く塩分濃度は低め。独特の甘みや芳香を有するものが多く、バラエティに富んだ風味を楽しむことができます。

味噌汁に用いるほかには白味噌仕立ての田楽に使います。

淡色味噌

長野県の信州味噌など、上の2種類の中間の色合いをしている淡色味噌は、辛口から甘口まで様々な種類が揃っていることから万能味噌とも呼ばれます。味噌汁はもちろんあらゆる料理に用いることができます。

上の3種類の他には、異なる麹を原料に作られた味噌をブレンドした「調合味噌」というものもあります。

単独の麹で作成した場合と比べて味噌特有の風味が薄くなり、物足りなさを感じる人もいるかもしれませんが、クセがなくマイルドな風味が良い場合に活用すると食べやすくなることから多くの人に好まれています。

それぞれの味噌の違いを理解して上手に活用しよう

毎日の食卓に欠かせない味噌ですが、その産地や醸造の方法によって限りない種類のものがそろっています。

それぞれの味噌が持つ風味や味わいの豊かさにくわえ、栄養素となる成分の違いからも日々の献立に多くの選択肢を選ぶことができます。

たとえば塩分の気になる人は白味噌を。炭水化物を抑えたい人は豆味噌を。発酵作用がよりほしい人は、発酵期間に注目するなど、種類に注目しながら食生活やライフスタイルに取り入れることで、腸内だけでなく健康力アップに努めましょう。

【参考】
農林水産省 特集2食材まるかじり(2)
miso onlineみその歴史
miso onlineみそ知り博士のQ&A50
woman online店頭での味噌の選び方
All About味噌の知識と活用法

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