チアシードとは⁉ その食べ方と栄養成分を徹底解説!

さまざまな栄養素がまとめて摂取できると人気の「チアシード」。2015年ごろから話題となり、いまではスーパーや通販サイトなどでも手軽に買えるようになっています。腸活を気にしている人から注目を集めているというチアシードには、どのような栄養成分が含まれているのでしょうか? 今回はチアシードの成分とを徹底解説していきます。

チアシードとは?

チアシードとは⁉ その栄養成分を徹底解説!

チアシード(chia seed)とは、中南米原産のシソ科の一年草「チア」の種子で、大きさは1〜2mm程度の小さな粒です。古くから食用とされ、水に漬けるとチアシードの表面が水分を吸収してゼリー状になり、独特の食感が味わえるのが特徴です。乾燥したタネのまま袋詰めされて販売されているほか、飲むゼリーのような飲料として、また、搾り取られた油はチアシードオイルとしても市販されています。

チアシードに含まれる主な栄養素

チアシードとは⁉ その栄養成分を徹底解説!

チアシード100g当たりのカロリーは446kcal。同量のきなこ(100g当たり約420〜450kcal)と同じ程度のエネルギーがあります。食用とされる植物の種子には脂質が多く含まれ、少量で効率よくカロリーが摂取できますがチアシードもその一つです。このほかに、チアシードにはどのような栄養成分が含まれているかを『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』のデータをもとに紹介します。

海藻にも匹敵する量の「食物繊維」

チアシードの食物繊維量は、100g当たり36.9g。干しヒジキ(100g当たり51.8g)やカットわかめ(100g当たり39.2g)など海藻に匹敵する食物繊維量となっています。

「オメガ-3系脂肪酸」は大さじ1杯程度で1日の必要量が摂取できる

チアシードに含まれる脂質の量は、100g当たり33.9gです。そのうちの約60%はω-3系脂肪酸(オメガ-3系脂肪酸)のα-リノレン酸からなります。

α-リノレン酸は、魚介に含まれる「DHA(ドコサヘキサエン酸)」「EPA(エイコサペンタエン酸)」などとともにω-3系脂肪酸の一種に分類されます。α-リノレン酸は体内で合成できないため「必須脂肪酸」とも呼ばれ、体に欠かせない成分です。

18歳〜74歳における、ω-3系脂肪酸の1日の摂取目安量は男性が2.0〜2.2g、女性が1.6g〜2.0gと示されています。大さじ1杯(約10g)で約2gのα-リノレン酸が摂取できる計算になります。

豊富な「鉄分・カルシウム」

必須脂肪酸のように、体内で合成できない成分はほかにもあり、その1つがミネラルです。チアシードにも鉄分やカルシウムをはじめとして、さまざまなミネラルが含まれています。

特に、チアシードに含まれている鉄分は10g当たり0.76mgで、鉄分の摂取量が不足しがちな日本人をサポートしてくれます。

また、チアシードのカルシウム量は10g当たり57mg。大さじ1杯(約10g)のチアシードに含まれるカルシウム量は、納豆1パック(50gで45mg)や牛乳50g(コップ約4分の1)とほぼ同じです。

大さじ1杯(10g)で「たんぱく質」は約2g

チアシードに含まれるたんぱく質の量は100g当たり19.4g。大さじ1杯(約10g)で約2gのたんぱく質が含まれます。動物性たんぱく質を含む動物性の食品は、植物性たんぱく質を含む食品と比べて脂質を多く含み、エネルギーが高くなります。チアシードをはじめとした、植物性たんぱく質を含む食品を摂ることで、カロリーを抑えながら食後の満足感を得られやすくなります。

そのままでも、水に戻してプチプチ食感でも!チアシードの食べ方

チアシードとは⁉ その栄養成分を徹底解説!

チアシードは調理の手間もなく、生のままでも手軽に食べられます。スプーンにすくって口にしたり、サラダのトッピングとしても楽しめます。

また、水に浸しておくとチアシードが膨らみ、寒天のようなプルプルとした粘液に包まれます。こうするとゼリーのような食感で味わえます。チアシードはほぼ無味無臭のため、スムージーに入れたり、フルーツジュースに入れても、ドリンクの味を邪魔しません。

チアシードを食べる際の注意点

加熱調理は避ける

チアシードに含まれている、α-リノレン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸は、熱や光、空気によって酸化しやすく、酸化によって過酸化脂質になってしまいます。不飽和脂肪酸を摂取する目的でチアシードを食べるのであれば、酸化による変質を防ぐため、揚げる・炒めるといった加熱調理は避けるといいでしょう。

おなかの中で膨張する

水に浸すと、チアシードの表面にある水溶性の食物繊維が水を含んで膨らみ、その大きさは乾燥時の10倍にもなります。そのため、腹持ちがよいといわれますが、乾燥したチアシードをそのまま大量に飲み込むと、おなかの中で膨張して膨満感や苦しさを覚えることもありますので、一度に食べ過ぎないようにしまししょう。

チアシードだけに偏らず、バランスのよい食事を心がける

チアシードにはさまざまな栄養が含まれていますが、すべての栄養を網羅しているわけではありません。チアシードばかり食べていると、栄養が偏ってしまい体の変調にもつながりかねません。主食・主菜・副菜のほか牛乳・乳製品、果物をバランスよく摂る食生活を基本にして、足りない栄養を補うものとして位置付けるほうがいいでしょう。

まとめ

チアシードとは⁉ その栄養成分を徹底解説!

チアシードには、食物繊維をはじめさまざまな栄養素が含まれています。無味無臭でサラダなどへのトッピングなどとして、腸活をサポートする食材として取り入れてみるのはいかがでしょうか。

【参考文献】
「チアシード」(集英社『イミダス』)
「チアシード」(小学館『デジタル大辞泉』)
「チアシード」(「e食材辞典」)
『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』
「不飽和脂肪酸」(厚生労働省「e-ヘルスネット」)
「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」(厚生労働省)

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