《専門家監修》オナラや便意を我慢し続けるとどうなる?

2017.05.12

「オナラをしたいけど、人がいるから我慢をしないと」「職場のトイレでは恥ずかしくて排便できない」など、オナラや便意を我慢したことのある人は多いことでしょう。

上記に心当たりのある方は、“排便後のスッキリ感がない”と感じたことはありませんか?

日常的にオナラや便意を我慢し続けていると、便が直腸付近にたまったことを感知するセンサーが鈍り、便を押し出す『排便反射』が起こらなくなることがあるのです。

便意を感じるメカニズムについて

便は大腸の終わり近くにある『S状結腸』で固形になり、たまっていきます。そして、ある程度の量(約150~200g)まで便がたまると、その重さで直腸に落ちてきます。直腸にあるセンサーが察知すると、骨盤神経を介して大脳に信号が送られ、便意が起こります。

大脳が直腸に指令を出すと、自律神経の反射である直腸を収縮させる動きと肛門を緩める動きが同時に起こり、排便につながります。この『排便反射』が起こると、私たちはトイレに行きたくなるのです。

しかし、いつもオナラや便意を我慢して、内肛門括約筋や外肛門括約筋を緊張させている方は、このセンサーの感度がどんどん鈍くなります。次第に便が直腸付近にたまっているのに、便意を感じなくなってしまうのです。

オナラや便意のがまんでおこる直腸性便秘

日ごろからオナラや便意のがまんをしていると、“便がたまっているのにそれを押し出すことができない腸”になってしまいます。その結果『直腸性便秘』を引き起こします。

若い世代を中心に起こる便秘の多くは、この直腸性便秘です。私たちはさまざまな排泄器官から、便や尿、汗、呼気、垢といった身体にとって不要なものを排出しています。自分の意思でそれを止められるのは、オナラや排便くらいかもしれませんね。

直腸にたまっている便が硬くなると、繰り返しいきむことで、肛門周囲に負担がかかってしまいます。切れ痔やイボ痔の原因にもなりかねません。

自然な便意を取り戻すケア

便意を取り戻すために、以下のことを心がけるといいでしょう。

便意があったらトイレに行く

「あとで、まとめて出そう」と思っていても、もう便意は戻ってきません。直腸の排便反射を鈍らせないために、オナラや便意の我慢は禁物です。

便意がなくてもトイレに座る習慣を作る

便意は自分で育てるものです。腸は習慣づけをしやすい器官のため、毎日10分以内、トイレに座るようにしましょう。

食後にリラックスする時間をもつ

食後などの副交感神経が優位に働いている状態では、腸が動きやすくなります。朝食後は絶好の排便タイムです。ゆっくりとトイレに座る時間を確保しましょう!

食事やおやつは寝る3~4時間前に済ませる

便は、夜眠っている間に作られます。寝るときに胃の中が空だと、腸を掃除する強い動きが起こり、大腸に便の元を運んでくれます。寝る直前に食事をするのは避けたほうがいいでしょう。

お気に入りのトイレを見つけておく

外出時に便意を感じても、すぐにトイレに行くのは難しい場合もあります。どうしたら出せるか、どこなら出せるかなどの対策を立てておくことが大切です。通勤中や移動中の急な便意に備え、自分の行動範囲内でお気に入りのトイレを見つけておきましょう。

腸は自律神経によってオートマチックに動く器官であると同時に、人に寄り添い、言うことを聞いてくれる器官でもあります。日ごろから腸を動かすトレーニングを心がければ、便秘も少しずつ改善していきます。

環境作りや生活習慣など、できることからスタートして、スッキリとした排便につなげたいものですね。

この記事を監修してくれた方

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齊藤 早苗

コロンハイドロセラピスト・インナー美人アドバイザー
看護師として大学病院などに勤務。2000年、米国で腸内洗浄の研修を受け、8000人以上のガンコな便秘やポッコリおなかに悩む女性に、腸内洗浄(コロンハイドロセラピー)を行う。現在、対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座(http://www.腸内洗浄クリニック.com)にて現職。また、腸の健康推進や腸もみマッサージ指導などの啓発活動として、セミナーや講演、TVや各種雑誌の取材などにも応じる。日経ヘルスで連載した「おなかのきもち」は大好評にて8年間の長期連載記録を樹立。「美女になる腸トレ」(小学館)・「美腸やせ」(主婦と生活社)など著書多数。早稲田大学卒。国際コロンハイドロセラピー協会会員。日本抗加齢学会会員。
齊藤早苗公式サイトhttp://www.saito-sanae.com/

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